初等整数論

初等整数論

山崎 隆雄 著/新井 仁之・小林 俊行・斎藤 毅・吉田 朋広 編

内容紹介

abc予想は整数論の最先端の話題であるが,面白いことにその主張を述べるだけならば予備知識はほとんど必要ない。ところで,abc予想の多項式に対する類似であるABC定理は初等的に証明できる。さらに,その応用としてフェルマーの最終定理の多項式類似まで証明できる。本書の前半ではこれらの話題について,高校数学程度の予備知識があればアクセス可能なように解説を与えた。
 この例に典型的に見られるように,整数と多項式には興味深い類似がある。本書ではこの類似を大きく取り上げた。例えば,平方剰余の相互法則はガウスによる古典的なものと多項式類似が平行して扱われる。また,虚二次体の整数論は代数的整数論の入り口にあたる重要な話題であるが,その多項式類似として超楕円関数体が扱われる。虚二次体の類数の有限性を多項式側で考察することで超楕円関数体のイデアル類群の有限性が証明され,その応用として楕円曲線の群構造が導入される。この扱いは本書独自のものであろう。
 ABC定理や超楕円関数体など,多項式における整数論の類似は数論幾何と呼ばれる分野の入り口にあたる。数論幾何はヴェイユ予想という20世紀の数学を代表する成果を契機として生まれた。その雰囲気を伝えるため,ヴェイユ予想のうち初等的に扱えるケースの解説も取り入れた。これら初等整数論を題材にして,数論幾何の入り口まで道案内することが本書の目標である。
第1章 整数

第2章 多項式

第3章 合同式

第4章 代数系の基礎

第5章 Fp上の方程式

第6章 平方剰余の相互法則

第7章 虚二次体(1)

第8章 虚二次体(2)

第9章 多項式環における平方剰余

第10章 超楕円曲線

第11章 補足

章末問題の略解

参考文献

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